2015年6月4日木曜日

10+1対談「第三世代美術館のその先へ」

10+1でMM研究会のメンバー(村田)が、五十嵐太郎さんと対談しました。
ぜひご一読下さい!
101 web site 6月号
「収蔵・展示・教育」から「アーカイヴ・インスタレーション・ ワークショップ」へ──美術館と建築家の新しい位相
「第三世代美術館のその先へ」

2015年4月27日月曜日

昨年までの成果報告/今年よりあらたな枠組みで研究を進めます!

2015年3月に『日本のマンガミュージアム2』(京都大学地域研究統合情報センター・ディスカッションペーパーNo.52)を出しました。お世話になった皆さまには御礼申し上げます。

いくらか多めに刷っておりますので、ご所望の方はご連絡ください。
『日本のマンガミュージアム2』は、2013年、14年に開いた(一緒に開いて頂いた)、東北・熊本の2つのシンポジウムと、新潟のマンガミュージアム関係者や、石巻にあるマンガミュージアム「石ノ森萬画館」の設計者へのインタビュー記録から構成されています。マンガミュージアムと連携して地域のこと考えたり、マンガミュージアムの現代的な位置づけを把握されたい方には、大変役に立つ内容だと自負しております!
関係者の皆さまには重ねてお礼申し上げます。

また、昨日4月26日は京都大学地域研究統合情報センター(地域研)において、このMMSの2014年度の研究の一部を発表しました。地域研では、「建築を通したポピュラー文化の記憶の場の構築力の解明」(代表・山中)として、2013年~14年度まで研究費を頂いていましたが、終了しました。加えて、科研費「博物館建築がポピュラー文化受容に果たす空間的機能の解明とその設計還元に向けた研究」(2012年~2014年:代表・谷川)が終了しました。これらの成果の一部は、上のディスカッションペーパーに収録していますが、そこで得た知見や研究の手がかりは、今後さらに発展させていこうと思っています。そのためにも、とてもよかったことは、今年度より二つの科研(村田、伊藤)があらたに獲得できたことです。そちらでもさらに研究していく予定ですので、どうか今後とも関係者の皆さまはおつきあいのほど、よろしくお願いします!



2015年3月22日日曜日

『思想としてのミュージアム』書評!

関西大学文学部教授、および兵庫県立歴史博物館館長の藪田貫先生が、
拙著『思想としてのミュージアム』を大学の校友会誌の書評欄で紹介してくださいました。
せっかくなので媒体を広げるべく、ここにアップさせてください!(村田麻里子)



2015年3月12日木曜日

メンバーの新しい本『思想としてのミュージアム―ものと空間のメディア論』が出ました!!!

人文書院より、村田麻里子著『思想としてのミュージアム―ものと空間のメディア論』が出ました!
日本の博物館の流れから、現代のグローバルな動向まで一気に論じられています。歴史としても、博物館研究としても、あるいはメディア研究としても入っていける、様々な入り口が用意されています。
もちろんポピュラー文化や建築にも大きく紙幅が割かれており、ミュージアムに興味を持つ人はもちろん、マンガやマンガを用いた地域再生といったテーマに関心を持っている方はぜひご一読下さい!
個人的には、日本において、ポピュラー文化であるマンガが、すんなりとハイカルチャーの殿堂であるミュージアムに収まっている理由を、下記の文章を読んですっきり腑に落ちました。
日本の博物館という空間メディアの最大の特徴は、ミュージアムの思想が完璧な制度として体現されたことによる、その機能性にあるのではないだろうか。だからこそ、日本の国公立の博物館は、殖産興業→国体論の喧伝と国威発揚→ファシズム解体と戦後民主主義の徹底と、社会状況に応じて発信するメッセージを容易にかつ機能的に変容させることが出来たのである。そして、ファシズム体制が完全に解体され、高度経済成長期になると、今度は次々と県単位で増えていく博物館は、地方の「豊かさ」の象徴となっていく。しかし、博物館の数も増え、それも達成されると、博物館が伝達するべきメッセージの不在をもたらした。現在の博物館の「窮状」や「不況」は、より本質的にはここに帰着するのではないだろうか(同書、171~172ページ)