10+1でMM研究会のメンバー(村田)が、五十嵐太郎さんと対談しました。
ぜひご一読下さい!
10+1 web site 6月号
「収蔵・展示・教育」から「アーカイヴ・インスタレーション・ ワークショップ」へ──美術館と建築家の新しい位相
「第三世代美術館のその先へ」
日本の博物館という空間メディアの最大の特徴は、ミュージアムの思想が完璧な制度として体現されたことによる、その機能性にあるのではないだろうか。だからこそ、日本の国公立の博物館は、殖産興業→国体論の喧伝と国威発揚→ファシズム解体と戦後民主主義の徹底と、社会状況に応じて発信するメッセージを容易にかつ機能的に変容させることが出来たのである。そして、ファシズム体制が完全に解体され、高度経済成長期になると、今度は次々と県単位で増えていく博物館は、地方の「豊かさ」の象徴となっていく。しかし、博物館の数も増え、それも達成されると、博物館が伝達するべきメッセージの不在をもたらした。現在の博物館の「窮状」や「不況」は、より本質的にはここに帰着するのではないだろうか(同書、171~172ページ)